Windows Vista は、OS のセットアップ自体が Sysprep によって行われるらしいです。そのため、サービスパックの統合が Windows XP に比べて煩雑(展開イメージを作成し直す必要があるため)、難易度高となっています。以下に手順を追って図を交えながら説明します。
大まかな流れとして…
- Windows Vista を新規にセットアップ
- セットアップした OS に SP1 を適用
- SP1 が適用された OS を Sysprep を使って一般化する(SIDなどの初期化)
- imagex ツールを使ってOSファイルをキャプチャしてイメージファイル作成
- OSイメージファイルをオリジナルのセットアップDVDのものと差し替え
- ブート可能なDVDとして作成
という感じになります。
x64版でも基本的には変わりません。「x86」となっているところを「amd64」と置き換えることで対応します。
では早速始めてみましょう。
1.Virtual PC 2007を使って仮想マシンを用意するか、物理 HDD もしくはパーティションを新規に準備してそこに Windows Vista GOLD をセットアップ
Windows Vista の SP 統合は、Windows XP までのようにサービスパックプログラムに統合オプションが用意されません。ではどのようにするのかというと、管理者向けに用意された展開ツールを使うことになります。これは Sysprep といわれ、セットアップした OS の設定を一般化し、SIDなど一意に割り振られる設定情報などを初期化します。具体的にはこちらのページを参考にしてください。
http://www.microsoft.com/japan/technet/prodtechnol/winxppro/deploy/introductoin.mspx
ここではその差分を作成するための環境を一時的にセットアップします。この環境に SP1 をセットアップし、その状態をイメージとして取り込んでセットアップディスクを作成するためです。
この記事では、Virtual PC 2007 に新規にセットアップする方法で進めます。
2.セットアップ完了後、最初のユーザ作成の画面で Ctrl + Shift を押しながら F3 を押して OOBE をスキップして再起動する
図2-1 セットアップ完了後、一番最初に表示される画面
図2-1のように、セットアップが完了する直前でOOBE(Out of Box Experience)という簡易セットアップ機能が動作しますので、このときにCtrl + Shift を押しながら F3 を押します。すると画面がブラックアウトし、自動的に再起動します。
再起動後に図2-2のように、 Sysprep ダイアログが表示されます。
図2-2 Sysprep ダイアログが表示されたところ
4.SP1 セットアップ完了後、Vsp1cln.exe というツールを使って削除
通常デフォルトでサービスパックをインストールすると、SPアンインストールのためのファイルが保存されているため、そのまま imagex でキャプチャしてしまうとイメージファイルが巨大になってしまいます。Vsp1cln.exe というツールを使って削除しておきましょう。コマンドプロンプトか、Windows+R キーを押してファイル名を入力してあとは画面の指示に従ってください。
図4-1 SPクリーナを起動
図4-2 SPクリーナを起動したところ
削除後、 Sysprep ダイアログが表示されていると思うので、コンボの設定は触らずに一般化のチェックだけ入れて OK を押して差分を作成します。
図4-3 Sysprepを開始
図4-4 一般化処理中
5.一般化終了後、自動的に再起動するので、そのまま Windows Vista が起動しないように注意して別の OS か Windows PE から起動する
図5-1 Windows PE が起動したところ
Windows PE は WAIK(Windows Automated Installation Kit) を導入すれば起動ディスクを作成できます。こちらからダウンロードできます。
http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?FamilyID=94bb6e34-d890-4932-81a5-5b50c657de08&DisplayLang=ja
参考までに、Windows PE 起動ディスクの作成方法を書きます。
- Windows PE Tools コマンド プロンプトを開く
- 「copype.cmd <アーキテクチャ> <作成先>」と打ち込んでエンターを押す
ここで、<アーキテクチャ> には x86、amd64、ia64 のいずれかを指定し、<作成先> にはローカル ディレクトリへのパスを指定します。たとえば、次のように入力します。 「copype.cmd x86 c:\winpe_x86」
- 差分をキャプチャするために imagex というツールをコピーする
「copy "c:\Program Files\Windows AIK\Tools\x86\imagex.exe" c:\winpe_x86\iso\」
- Oscdimg ツールを使用して、イメージ ファイル (.iso) を作成します。たとえば、次のように入力します。
「oscdimg -n -bc:\winpe_x86\etfsboot.com c:\winpe_x86\ISO c:\winpe_x86\winpe_x86.iso」
- あとはできあがったイメージを CD に焼くか、仮想マシンでマウントして起動すれば OK です
WAIK をセットアップした Windows XP があれば、そのマシンに先ほど作成した HDD をつないで作業してもよいでしょう。
6.OSイメージをキャプチャするために imagex を使います
今回はWindows PE を使うため、イメージファイル作成先にネットワークを介して別なマシンに作成することにします。
図6-1 ネットワークドライブの割り当て
OSイメージのキャプチャには、以下のように入力します。
imagex /compress maximum /flags "Business" /capture x: y:\install.wim "Windows Vista Business"
上記の x がキャプチャする Windows Vista がセットアップされたドライブ、y がイメージを作成するドライブです。各自の環境で読み替えてください。
図6-2 イメージ作成中
imagex のコマンドラインオプション /flags には以下のキーワードが使えるみたいです。
HomeBasic HomePremium Starter Ultimate Enterprise ServerDatacenter ServerEnterprise ServerStandard
7.作成したイメージファイルを Windows Vista セットアップ DVD のそれと差し替えます
セットアップ DVD の /source フォルダに install.wim がありますので、それと差し替えるために vLite を使います。vLite はこちらからダウンロードできます。
http://www.vlite.net/
vLite で GOLD のセットアップ DVD の中身を吸い出し、必要であればカスタマイズを加えセットアップファイルを再構築して ISO イメージ化します。ISOイメージを作成する前に吸い出したフォルダ内の /source の install.wim を差し替えるのを忘れないでください。ISO イメージを作成せずに、直接メディアに焼き付けることもできるみたいです。
あとはできあがったメディアからブートすることで SP1 を統合した Windows Vista がセットアップできると思います。
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